インターネットやSNSなど多くの情報であふれる現代で、ダイエットを迷わず進めていくには確固たる方針や原理原則が重要です。
この記事では突飛な事はせず、確かな原理に基づいたダイエット方法について解説していきます。
ダイエットの原則

体重を減らすには、摂取カロリーよりも消費カロリーが上回っている必要があります。体重が減らない場合、基本的には消費カロリーより摂取カロリーが上回っているか、これらが吊り合っている状態と考えられます。
では、ダイエットにおいて摂取カロリーはどの様に決めれば良いのでしょうか?
ダイエットにおける摂取カロリーの決め方
体重を減らしていくためには、減らしたい減量速度に合わせてメンテナンスカロリーから摂取カロリーを減らします。メンテナンスカロリーとは消費カロリーと摂取カロリーが吊り合ったカロリーのことで、現状の体重を維持するために必要なカロリーのことです。これを把握できると目標に合わせた摂取カロリーを決める事ができます。
メンテナンスカロリーを把握し、それよりも少ない摂取カロリーにすると、不足したエネルギーを体脂肪などから取り出し補います。体脂肪を利用することで、無駄な脂肪を落とし、体重を減らすことができます。

基礎代謝 × 活動係数
メンテナンスカロリーは基礎代謝と活動係数から算出します。
■基礎代謝
①体重×22
②基礎代謝(370+(21.6×除脂肪体重kg))
③基礎代謝の測れる体組成計
基礎代謝は上記のいずれかの方法で求めます。
基本的には①で良いのですが、基礎代謝は筋肉量によって変わるので、筋肉量が平均よりも多い、もしくは少ない方は②を使用しましょう。また③の体組成計は微弱な電気を流し、電気抵抗を元に推計しています。そのため、浮腫や脱水、手足の発汗などの影響で測定誤差が大きくなるので、やはり①の使用で良いと思います。体組成計の数値を使う場合は数日間測定を行い、平均値を使用する事をおすすめします。
■活動係数(活動量)
低い(ほとんど運動しない)×1.2〜
やや低い(通勤程度)×1.3〜
普通(肉体労働や軽い運動習慣)×1.5〜
週5~7回ハードな運動×1.9〜
1日の消費カロリーは基礎代謝(何もしなくても消費するカロリー)+活動代謝(動く事で消費するカロリー)で決まります。
活動係数はこの活動代謝を簡易的に求めるものであり、ご自身の活動量に合った、活動係数を基礎代謝にかけることで、1日の総消費カロリー(メンテナンスカロリー)が求められます。
デスクワークで1回1時間程度のウェイトトレーニングを週1〜4回行う場合の活動量はそこまで高くないので、係数は1.3〜1.5の間と考えると良いでしょう。
例えば、営業職で一日中歩き回っている体重60kgの方がいるとします。
その場合は、
基礎代謝
60kg × 22 = 1,320kcal
総消費カロリー(メンテナンスカロリー)
1,320kcal × 1.5 = 1,980kcal
となります。
これを自分で計算するのは面倒なので、自動で計算できるようにしてあります。ここで一旦ご自身の基礎代謝と総消費カロリーの目安を確認しましょう。
基礎代謝と活動量に基づく計算
体重(kg)を入力してください:
活動量を選択してください:
※基礎代謝は①の方法を適用しています。
カロリー計算

メンテナンスカロリーは摂取カロリーと消費カロリーが吊り合ったカロリーなので、体重を減らすためには摂取カロリーをメンテナンスカロリーより減らす必要があります。
体脂肪1kgを減らすには7,200kcalのマイナス(アンダーカロリー)を作る必要があり、月に2kg体重を減らすなら14,400kcalの収支をマイナスにすることが必要です。1ヶ月30日とした場合、この目標を達成するには1日480kcalをメンテナンスカロリーからマイナスします。
先程の例で考えると、メンテナンスカロリーが1,980kcalなので、1日あたりの摂取カロリーを1,500kcalにする事で、1ヶ月に2kg体重を減らす事ができるのです。
※ここで算出したメンテナンスカロリーや体重減少に必要な摂取カロリーはあくまでも理論値なので、実際の体重の変動に合わせて適宜調整していきましょう。
1ヶ月の目標減量幅に応じて、必要なアンダーカロリーを下の表にまとめたので参考にして下さい。目標が決まったらメンテナンスカロリーから「1日あたりのアンダーカロリー」を引いたカロリーで食事を継続することで、体重を落としていくことができます。
1ヶ月あたりの減量幅 | 1ヶ月あたりに必要なアンダーカロリー | 1日あたりのアンダーカロリー |
---|---|---|
1kg | 7,200kcal | 240kcal |
2kg | 14,400kcal | 480kcal |
3kg | 21,600kcal | 720kcal |
4kg | 28,800kcal | 960kcal |
5kg | 36,000kcal | 1,200kcal |
6kg | 43,200kcal | 1,440kcal |
この計算も先ほど計算した総消費カロリー(メンテナンスカロリー)を使って自動で計算できるようにしたので、確認してみましょう。
ダイエットのための1日に必要なカロリー計算
総消費カロリー(kcal)を入力してください:
1ヶ月で落としたい体重(kg)を入力してください:
※1ヶ月を30日として計算しています。
無理のない計画を立てよう!
カロリー収支をマイナスにすれば体重は減っていくものの、健康を害してしまうのは良くありません。
その為、摂取カロリーは基礎代謝以下にならない様に注意しましょう。減らす体重が大きいほど必要なアンダーカロリーが多く、無理なダイエットになりやすいので、目標を立てる際に基礎代謝以下にしなければいけないダイエットプランの場合はもう少し、長い期間をかけて行う方をお勧めします。
健康的にダイエットを行う為には、多くても1ヶ月あたりの減量幅は体重の3~4%にとどめるのが良いと言われます。
現在の体重 | 健康的に落とせる体重の目安 |
---|---|
50kg | 1.5~2kg |
55kg | 1.65~2.2kg |
60kg | 1.8~2.4kg |
65kg | 1.95~2.6kg |
70kg | 2.1~2.8kg |
75kg | 2.25~3kg |
80kg | 2.4~3.2kg |
85kg | 2.55~3.4kg |
90kg | 2.7~3.6kg |
95kg | 2.85~3.8kg |
100kg | 3~4kg |
綺麗な体を作る栄養バランス
アンダーカロリーが作れていれば体重は減少していきますが、綺麗な体を作るためには出来るだけ筋肉を残し、脂肪を減らしていく事が大切です。
そこで重要なのが、三大栄養素(たんぱく質、脂質、炭水化物)のバランスです。これをそれぞれの頭文字を取り、PFCバランスと言います。
綺麗に痩せるためのPFCバランス
できるだけ筋肉を残しつつ、脂肪を減らすには三大栄養素を下記のようなバランスで摂っていきます。
タンパク質:体重×1〜2.5倍(g)
脂質:
男性 摂取カロリーの10%〜30%
女性 摂取カロリーの20〜30%
炭水化物(糖質):残りのカロリー
■たんぱく質
たんぱく質は体重×1~2.5倍の範囲で調整します。肥満で筋肉量が少ない方や女性は1~1.5倍程度で良く、筋肉量が多い場合は1.5~2.5倍程度にしましょう。
■脂質
脂質はホルモンの材料にもなり、不足すると便秘や生理不順、肌の乾燥などに繋がります。他の栄養素に比べカロリーが高いので過度に抑えてしまう方が多い栄養素ですが、女性は20%、男性は10%を下回らない様にしましょう。
■炭水化物(糖質)
糖質制限ダイエットが流行ったことで、糖質を抑える方が多いですが、体のエネルギー源となる栄養素なので全体の50%前後を目安に摂取しましょう。
カロリーの解説で出てきた方を例にPFCバランスを設定すると、
体重60kg 摂取カロリー 1,500kcal
たんぱく質
体重60kg×1.5倍=90g(360kcal)
脂質
摂取カロリーの20% = 300kcal ÷ 9(kcal)
= 33~34g
炭水化物
残り全て = 1,500(kcal) – (360 + 300)
= 840(kcal)
= 210g
※脂肪は1gあたり9kcal、
たんぱく質と炭水化物は1gあたり4kcal
となります。
この食事を続けていけば目標を達成する事ができ、綺麗な体やカッコいい体を作っていく事ができます。また栄養バランスが整う事で健康面にも良い影響が出てくるはずです。
三大栄養素も必要量を確認しておきましょう。
三大栄養素(PFC)の計算
※男性のたんぱく質量の上限は体重×2.5gで計算されていますが、極端に筋肉量が多い方以外は2gで計算し、その差額を炭水化物に置き換えましょう。
大切なことは継続すること
ダイエットのために必要な摂取カロリー、PFCバランスがわかったらあとはそれをもとに食事を継続することです。どんなに良い方法でも継続ができないと効果を得られないため、設定を決めたらあとは淡々と継続していきましょう。
食事管理が難しいと感じるあなたへ
必要な栄養がわかっても日々管理するのが大変だと感じる方も多いのではないでしょうか?
そんなときは「MyFitnessPall」などの食事管理アプリを使うのがおすすめです。使い方は下記の記事を参考にして下さい。

まとめ
毎日完璧を目指さなくて良いので、70〜100点の間を目指す様なイメージで食事を調整していきましょう!長い目で見れば、平均70〜100点の食事ができていれば効果を実感できるはずです。
何よりも『継続』することを意識して食事を続けていきましょう。
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